な
ナショナル・ブランド
世間によく知れ渡ったブランド(商標)のことをいう。 また貨店や専門店などの小売店が独自に開発して所有するプライベート・ブランドに対して、メーカーの所有するブランドのことを指す。
ナチュラルショルダー
背広の肩線の1種。 「自然型」と呼ばれるほど、パッドもあまり使われない、誇張のない感じのもの。トラディショナルショルダーモデルとされている。近頃ではアンスーツの影響もあり、より一層自然な感じが強調されている。
ナポレオンカラー
衿型の1種。 ボナパルトカラーの別称である。高く折り返ったカラー(上衿)と幅広のラペル(下衿)が特徴的なもの。ナポレオン・ボナパルトによって軍服に採用されたところからこの名称がある。現在でもスポーティーなコートなどの衿型として見かけることがある。
ナローショルダー
「狭い肩」の意で、このスタイルを特徴とするアイビーモデルの背広の代名詞とされているもの。ナロー&ナチュラルショルダーという言い方もある。「ナロー」が「狭い」という意味を持つ言葉なため、ナローラインといえば、細いシルエット、スリムシルエットと同じ意味となる。
梨地織り
織物の生地表面が梨の皮や砂のようなざらざらの感じ、光沢感を消した織り方のこと。経糸とヨコ糸を複雑に交差させることで、凹凸感のある生地表面を作り出す。生地の表裏ともやや粗めのしぼ状となっているアムンゼン、撚りの異なる強撚糸を2本ずつ交互に使って平織りとしたジョーゼット・クレープなどが梨地織りの一種とされている。
ナンバーワンサックスーツ
ブルックスブラザーズ社が初めて紹介したナチュラルショルダーのスーツの呼称。元祖トラッドスーツ。
に
ニッカースーツ
ジャケット、ベスト、ニッカーを共地で組み合わせてスリーピーススーツに仕上げたもの。19世紀末から流行し、主に野外着として用いられた。1920年代にはゴルフ向きのスポーツウエアとして、このスーツが見られる。ニッカーはニッカーズ、ニッカー・ボッカーズといわれる、膝下丈のゆったりしたズボンのことである。
ニットスーツ
編地で仕立てられたスーツの総称。 特にテーラードニットによるそれを指すことが多い。新しいテーラード・クロージングのひとつとして注目されている。ニットはメリヤス編みで編み機によって編まれた、ニッテッド・ファブリックのことを意味し、「編み物」を総称する。スーツのカジュアル化がすすむ中、ノン・スーツといわれる「カーディガン・スーツ」「ベスト・スーツ」などの素材として相性が良く、使用されることも多い。また、衿・袖・裾などの端処理として編み物素材使用時に行われる、「ニッティング・フィニッシュ」は特徴的。
ニットタイ
編み地で作られたニットを素材とするネクタイの総称で、俗に「編みタイ」といわれるもの。季節に合わせて編地や色を変えるなど、ニットの優れた伸縮性、柔軟性という特徴を生かし、その種類も数多く揃っている。
ニュー・ボタンダウン・カラー
アイビールックのジャケットやスラックスに合わせるシャツ衿として欠かせないボタンダウンカラーの衿開きを広めに取られた衿型のこと。クラシコスーツをはじめ、衿巾が広めに取られるスーツが多くなってきたことから、これに合わせるために、ワイドスプレッドのような衿開きとされた新しいタイプのボタンダウンシャツで、ネクタイも巾広の大剣が合わせられる。
ニュー・ライフ・スタイル
直訳すると「新しい生活様式」だが、時代とともにライフスタイルが変化することを意味する。新しいファッションを作り出す意味で使われることが多い。
ね
ネクタイ
ネック(首)とタイ(締める)を組み合わせて作られた複合語で、首やシャツなどの衿のまわりに巻いて結ぶ、帯状または紐状のアクセサリー。ネクタイの巾は、スーツシルエットの流行によって左右されることが多く、肩巾・衿巾の大きさによって太くなったり細くなったりする傾向がある。
ネールスーツ
ネールカラーと呼ばれる独特の立衿を特徴としたスーツのこと。ノンスーツの1種。ちなみにこの衿はインドの故ネール首相の衿型であったところから“ネールカラー”と名づけられたものである。その起源はインドの王侯貴族が着用したという、通称”ラジャー・コート”にまで遡ることができる。
ネックウエア
首に巻きつけるアクセサリーの総称で、ビジネススーツとシャツの衿元には欠かせないネクタイもこれに含まれる。フォーマルな装いの首元を飾る、蝶ネクタイ(バタフライタイ)やボータイのほか、スポーティーな装いのシャツに着用されることが多いアスコットタイ、マフラー、ネッカチーフ、チョーカーや、乗馬服の正装用に用いられるストックタイなどがある。
ネックバンド
シャツの襟の身頃につける帯状の部分で、襟台や襟腰ともいう。
ネックバンド・シャツ
狭い幅のネックバンド(衿腰)が付けられた、衿なしのシャツを指す用語。ドレスシャツの1種でクラシックなスタイルのもの。
ネックライン
シャツの衿ぐり線のこと。
眠り穴
ラペルホールとも呼ばれる。ジャケットのラペルなどに開けられた、はと目のないボタン穴のことを指す。主に社員バッチをつけるところなので、バッジホールとも呼ばれる。
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ノータイスタイル
ネクタイを着用しないスタイル。クールビズの普及により、夏季にノータイスタイルを推進している企業も多い。
ノータック
スラックスの前部のスタイルでタックのないもの、腰のフィット感が強いのでスポーティなスラックスはほとんどこのスタイルである。ジーンズのそれに見られる。
ノーフォークジャケット
19世紀から20世紀にかけてイギリスで狩猟用、ゴルフ用などに使用されていたスポーツジャケット、その後、ノーフォークタイプのスーツ、ジャケットが1910年代のタウンウエアとなり、現代まで引き続いてベーシックな男の衣料となっている。19世紀末からは女性服にもそのデザインが見られるようになる。
ノッチドラベル
一般の背広に見られるごくオーソドックスな衿型。 俗に「菱衿」と呼ぶもの。シングルブレステッドのジャケットの衿はこれになる。
ノッチは上衿と下衿で作られる一般にはV字形となる「刻み」を意味することから、この「刻み」の入った衿で、ゴージラインがまっすぐなもの。ピークラペルは、上衿と下衿のエッジが重なっているため、「刻み」がない。
ノット
ネクタイの結び目のこと。ネクタイの結び方から作られるノットにはそれぞれに種類があり、ビジネススーツにも適した大人しい雰囲気をもつプレーンノットは、シンプルノット、フォーインハンドなどとも呼ばれる最も一般的で簡単な結び方から作られるネクタイの結びめ。
その他主なものにウィンザーノット、ハーフウィンザーノットがある。
ノンスーツ
字の通りスーツでないスーツといった意味で、これまでの常識を破った新しい形式の上下一対を総称する。さまざまな解釈がなされるが特に既製の背広型に対抗し、また改革するためにあらわれた1970年以降のものについていう。主に外観的に新しいスーツのことをいい、カーディガン・スーツ、シャツ・スーツ、ブルゾン・スーツ、ベスト・スーツなどが代表的。