アーガイル・チェック

シャツの柄で、菱形と細い斜め縞によるチェック。スコットランド西部のアーガイル地方にちなんだ名称。見た目の連想から、そろばん柄と称されることもある。

アーガイル・プレイド

シャツの柄。アーガイル・チェックの別名。チェックに比べて大きい格子柄をものを指す。

アームホール

シャツの袖付け部分のこと。袖ぐりともいう。身頃から腕を通す穴の部分。袖の運動機能やシルエットのためにとても重要で、一般にこのアームホールが大きければ、袖巾は太く、小さければ袖巾は細くなる。

アイゼンハワー・ジャケット

アメリカ陸軍の制服として第二次世界大戦時から採用された、ウエスト丈の短い上着。アイクジャケットの別称がある。一般には「腰と袖口がフィットするように絞られた丈の短いジャケット」を指してこの語が使われる。

アイビー・シャツ

アイビー調の服装に多く使われるシャツ。衿はロングポイントのボタンダウンカラー。前合わせはフロントパネルバックで衿の中央にもボタンがついている。スリムな仕立てでバックのセンタープリーツはボックスプリーツになっている場合がほとんど。生地はオックスフォードクロスを主に使うことが多い。
※ロング・ポイント・カラー
男物シャツの衿型のひとつで、衿先が長く(約7.7cm以上)、衿の開きの角度がやや閉じた形の衿。細めのネクタイに合わせるのが一般的。

アイビーリーグ・モデル

スーツの名称。アイビーリーグとはアメリカ東部の有名8大学(エール、ブラウン、コロンビア、コーネル、ダートマス、ハーバード、ペンシルベニア、プリンストン)で結成されているアメリカンフットボールリーグ。これらの大学の学生や卒業生は、アイビーリーガーと呼ばれアメリカ社会のエリートを占める。もともとはアイビーリーガーたちが好んで着ていた背広型だったが、1955年IACDが流行スタイルとして発表した当時から、アメリカで大流行した背広型のひとつとなる。日本でも1960年ごろから人気を集め、「アイビー族」まで結成された。このモデルの特徴は、肩線がナチュラルショルダー、シルエットがずん胴型、ボタン間隔の広い3ボタン、上2個がけ、ラペル巾は狭く、前ダーツなしで、全体に5ミリ位のステッチがかけられている。スラックスは前プリーツなしのパイプドステム型、ターンナップがつき、後ろにバックストラップが付いている場合もある。全体に細長くストレートなシルエットが特徴的なスーツ。
※ターンナップ
<折り返したもの>の意で、とくにズボンの裾の折り返しを指すが、これは主に英国的な表現とされていて、米国ではカフスと呼ぶのが一般的。また、米国大統領のマッキンリーに由来するマッキンという言い方もある。

アウター・スーツ

秋服レジャー・スーツを指す呼称。

アウトポケット

セットインポケットに対して、はりつけポケットのこと。 パッチポケットともいう。また、この呼び方はインナーポケット(内ポケット)に対して外側に付けられるポケットの総称としても使われる。オーダースーツでは、ジャケット、パンツともアウトポケットをディテールとするデザインは多い

あごぐせ

ネックラインからバストポイントに向けてダーツを縫って立体感を出すための方法。見た目ではわかりにくいダーツを入れることで、体型を補正し、きれいなシルエットを出すオーダースーツならではの工夫。

シャツや夏用ジャケットに使われる繊維。天然繊維の中で最も強く・シャリ感・清涼感がある。通気性に優れ、水分の吸収・発散が早く、洗濯で汚れを落としやすいといった特徴から高温多湿な夏に最適な素材

アジャスタブルカフス

シャツのカフス回りのサイズ調整ができるように、ボタンが左右に2つあるカフス型のこと。折り返しのないシングルカフスで、オーダーメイドではない既製のYシャツ等で多くみられる。

アジャストボタン

カフス回りのサイズ調整ができるように、カフスに2つ付けたボタン。このカフス型をアジャスタブルカフスという。袖口を締め、袖丈を調整する(アジャスト)するためについている。

アスコット・シャツ

アスコットタイが最初から組み合わされたシャツ。 多くはトラディショナルルックの重要な部分を占めている。

アスコット・タイ

結んだ時にスカーフのように見える、幅の広いネクタイ。フォーマルの正礼装から通常のドレスシャツにまで幅広いコーディネイトに使用できる。

アソーテッド・スーツ

普通のスーツスタイルだけでなく、セパレーツにも自由に組み合わせを変えることのできるスーツ。上下スーツと共生地の1パンツで構成する2パンツスーツとは異なり、大抵は1着のジャケットに2本のスラックスで構成される。
アソートは商品構成、1揃えなどのビジネス用語として使われるアソートメントの俗語。商業的にジャケット+スラックスを替え上着+替えパンツとして売り出す組み合わせをショップ、デザイナーなどが提案している。
ジャケットとパンツの組み合わせを考える際に、ストライプ柄のジャケット+パンツとした場合、替えパンツの組み合わせが難しくなるため、ジャケットには無地若しくは格子柄が望ましい。上下揃いのスーツでは同じに着用していても、パンツの消耗のほうがジャケットの消耗よりも早いため、経済的にもお客様にすすめやすい商品構成となっている。
また、ジャケットとパンツの濃淡は、上下で差を付けるのがジャケパンジャケスラのセオリー。

アフターシックス

午後6時以降に着る礼装の総称。 タキシードイブニング、コートなどの他、ドレッシーな服装全般を含めて呼ばれる。昼間に着用するデイタイム・ドレスデイタイム・ウエアの対語とされるもの。

アメトラ

アメリカン・トラディショナルの訳。アメリカの伝統的なファッションのことを指し、流行に左右されることのない保守的なスタイルである。

雨蓋隠し

フラップポケットのこと。 雨蓋(フラップ)のついた隠し(ポケット)の意。外来の服飾用語を日本語に直した言葉の中でも秀逸なものである。ポケットの切り口を斜めにしたハッキングポケットなどの場合には、合わせてフラップも変形し、平行四辺形のような形となるため、個性的なデザインとしてのオーダースーツ的カスタマイズ度も高い

アメリカン・コンチネンタル・モデル

1958年ごろから流行した欧州型背広モデルで、着丈が短く、前カットの大きいシングル2つボタンの上衣に、ほっそりとしたスラックスを合わせたスーツ・スタイル。アメリカントラディショナルがスポーティな雰囲気をかもし出すとすればこれはドレッシーな雰囲気を持つといえるだろう。

アメリカン・ブリティッシュ・モデル

トラディショナル・モデルを米国調にアレンジしたスーツ・スタイル。 一般的にウエストがややしぼってあるのが特徴。

アメリカントラディショナル

アイビー・ルックアイビー・リーグ・モデルのスーツなど、アメリカで培われた伝統的服装のことを指す。ブルックスブラザーズやラルフローレンはその代表格。アメリカの気候や合理主義の影響、アメリカ移民にイギリスの上流階級が少なかったことによる中産階級文化や他国の文化の流入などの影響を受けた。結果的にブリティッシュ・トラッドに比べて簡略化やカジュアル化が行われているが、アメリカ全体を象徴するスタイルではないことに注意。

綾織り(あやおり)

生地の目が斜めになっている織り方の総称。表面が比較的平滑になっていて、肌触りがよく、サージギャバジンなどが代表的。英語ではツイルと呼ばれ、中世の甲冑(かっちゅう)のすね当てが呼び名の由来になっている。平織に比べると摩擦に弱く強度に欠けるが、地合は密で柔らかく、伸縮性に優れ、シワがよりにくい等の利点がある。

アリカンストライプ

ネクタイのレジメンタルストライプの一種。左上から右下に流れるストライプ柄のことを指す。アメリカでよく見られるストライプ柄。リバースとも呼ばれている。

アルスター・コート

両前ベルトつきのロング・オーバー。 「アルスター」とはイギリスのアイルランド北部の州名で、同地方で多く用いられた両前のロング・コートにこの名称が使われた。 胸を両前とし、腰ベルトつき、もしくは背だけベルト付として防寒用に着用される。主として旅行用、防寒用として用いられる。本格的なアルスターコートは、アルスターと呼ばれる厚手のコート地が使われ、このコートの衿型を、特にアルスターカラーといい、他にも多く使われている。

アルフレッド・ダンヒル

イギリスを代表する高級ファッションブランド「ダンヒル」の創業者。1959年に87歳で亡くなるまでに、アルフレッドは家族の名を、優秀さや革新的、ラグジュアリーの代名詞として世界で最も知られるものの1つにしました。

アンクル・レングス

スラックスなどの長さで、アンクル(くるぶし)までの丈をいう。アンクルレングスは、マキシレングスと同じ意味で用いられ、マキシはマキシマム(極大)の略語から。

アンコンストラクテッドスーツ

直訳すると「非構築スーツ」になる。スーツに不可欠な芯地やパッド、裏地などをまったく使わないか、最小限にしたもの。略してアイコンスーツとも呼ばれている。生活様式のカジュアル化がすすむ中で、重衣料的なビジネススーツも必然、歩みより、コットン、麻、ポリエステルなどのハイテク繊維で作られるカットソー、パンツなどとも相性の良いアンコン仕様は、スーツスタイルにとって欠かせないアイテムとなっている。

アンスーツ

アンコンストラクテッド・スーツ、またアンコンストラクチュアード・スーツの略。つまり「無構造スーツ」の端的な呼称で、イージースーツとも呼ばれる。
アンコンストラクテッドは芯地・パットなどの付属をできるだけ少なく、軽い着心地のアンコン仕立てで、イージー・スーツはウォッシュ&ウエア加工を代表とするケアが楽なイージー・ケア・スーツを意味することから、アン・スーツは生活様式のカジュアル化に伴って、スーツというアイテムが少しずつ変化してきた結果のものを総称する言葉であると考えられる。

アンダーノット結び

ネクタイの結び方の1種。 ネクタイを結んだときに、ちょうど結び目の下(アンダー)に柄が出るようにする方法。同じノット下に出すディンプルと同様、ビジネススーツの
数少ない飾れるアクセントとして利用したいネクタイの結び方です。

アンタイド

結ばれていない、縛られていないという意味で、すなわちネクタイをしていない=ノーネクタイ スタイルのこと。反対語はタイドアップ

アンマッチド・スーツ

必ずしもジャケット、スラックス、またベストが共地、共色柄で構成されないスーツの意味。ミックスド・アンサンブルということもある。
ミスマッチミックス・アンド・マッチといわれるような伝統的ファッションのセオリーからは外れた、組み合わせの色柄を楽しむことは現代的な新しい着こなしのテクニック。
通常のスーツアイテムを構成する、ジャケット、パンツ、ベストをそれぞれ対(つい)になっていない、オッドジャケット、オッドパンツ、オッドベストのような替えのアイテムとして組み合わせる。
そのオッド的に着こなす組み合わせには当然、個性が出る。紺ブレにはグレーのパンツ、上下ともに柄物なら柄の大きさは少し変える、黒のジャケット、パンツは何とでも相性が良いなど、大きな失敗をしないためのいわゆる鉄板の構成もあるため、ドレスコードなどとよく検討してみることも重要。

イージーオーダー

顧客の要望や体型に近いスーツを手軽に仕立てるために、既存の型紙を活用して作り上げるオーダー。(=セミオーダーシステムオーダー)縫製工場で対応することができるパターン(型紙)、シルエット、デザインがあらかじめ用意されており、それらの中からデザイン等好みのものを選び、注文主の身体のサイズに合わせてスーツを作る仕立て方である。

イージースーツ

アンコンストラクテッド・スーツのこと。 非常にカジュアルライクで軽い感覚をもつところから、こう呼ばれる。イージーケア・スーツということもあり、これは特に”取り扱いの軽い”といった意味を持つもの。
ビジネススーツ仕様のかっちりとした堅めな印象のスーツから、気楽に羽織れるアンコン仕立てへ生活様式のカジュアル化に伴って重衣料アイテムも少しずつ変化してきている。アンコン仕立ては肩パットがない、もしくは無い程度に薄いため、肩回りは非常にラク。芯地や付属の軽減も、軽い作りの特徴となっている。
※この場合のイージースーツは、イージーオーダースーツとは異なる。

イートンジャケット

イギリスの有名な学校「イートンカレッジ」の制服として用いられる、丈の短いジャケットのこと。ごくオーソドックスなオッドジャケットのウエストから下を切り落とした感じである。イートンキャップ(制帽)、イートンカラー(広い衿付き)のシャツ、衿付きベスト、黒いネクタイ等と共に着用されることが多く、前ボタンははめないならわしがある。
オッド・ジャケット
ズボンと対になっていない上着。替え上着のこと。

いせ込み

平面の布を立体的に形成するための技法。主にジャケットの袖付けに使用され、身頃に比べて袖山がぷっくりしているの.が視覚的な特徴。こう仕立てることで肩の可動域も格段に増えるが、袖側の生地を少しずつ縮めながら肩穴に縫い合わせていくわけで、非常に高度なアイロンテクニックと縫製技が要求される

イタリアンカラー

シャツ用語で、別名ワンピースカラーともいう。衿と衿台が一枚仕立てになっており、V字のネックラインを形成している衿型。一般のシャツは、台衿と折り返る衿とに分けて作られていることから、ツーピースカラーと別称される。

イタリアン・コンチネンタル

1950年代中期のローマに端を発した背広の流行型の一つ。 細い衿や浅いサイド・ベンツ、それにカフス付きの袖などが特徴的な着丈の短いタイト・フィットの上衣。すそに折り返しをつけない先細り型のベルトレス・スラックスの組み合わせからなる背広服のこと。コンチネンタル・スタイルはメンズ・スーツにおいて、アメリカ型のものに対してヨーロッパ大陸調のという意味で使われ、コンチネンタル・モデルといわれるものには、フレンチ・コンチネンタルジャーマン・コンチネンタルなどがある。

イブニング・ドレス

夜会服とも訳される夜間の礼服。燕尾服。 夜間の正宴、観劇、舞踏会などに着用する服装。 地色は黒または濃紺。

インディーズ・ブランド

英語のインディペンデント・ブランドからきた名称。ファッション業界で大量生産を行わず、自分の作りたいものを作るデザイナー達の小規模なブランド。スタイルは流行のビッグTシャツやゆったりとした半ズボン。 量産せず特定のグループで楽しむ服。

イタリアンスタイル

袖本開きや本台場仕立てにするなどし、英国調スタイルをもとにウエストを絞って裾が腰にフィットするスタイル。肩幅は強調し、ややいかり肩のラインを持っている。一方ではフランスの既製服の下請けをしていたことから、レディース仕立ての発想も盛り込まれ、華やかで優雅さも漂う。手仕事の真髄を盛り込んだ服作りに注目が集まり、日米共に高い支持を集めている。

イタリアンクラシコスタイル

体にジャストフィットする寸法で、全体的にポイントを上に押し上げたスタイルのこと。クラシコスーツの特徴的なシルエットは比較的高い釦位置、ウエスト位置を特徴とするシルエットライン。ウエストから裾にかけてのきれいなフレアードライン。これらのテイストをもつスーツ、ジャケットを広くクラシコ仕様と呼ぶ。

市松模様

シャツなどの柄。別名をブロック・チェックという。白黒、または濃淡の2色が等間隔に交互しているチェック。江戸中期、歌舞伎俳優佐野川市松がこの模様の袴(はかま)を用いたことに始まる。

糸密度

シャツ生地の、打込本数のこと。生地の1インチ(2.54センチ)四方の中にタテ糸とヨコ糸がどれだけ配置されているのかであらわされる。

インアンドアウター

水平にカットされ、短いサイドベンツを特徴としたスポーツシャツの1種。多くは短袖のシャツスタイルでニットまたは織物で作られる。スラックスの外に出しても、中に入れても着られるところから、この名称で呼ばれている。

インバーテッド・ベント

ジャケットの後ろ裾に切れ目を入れず、たたみヒダにしたベント(馬乗り)のこと。インバーテッド・プリーツともいう。

インフォーマル・ウエア

インフォーマルとは「公式でない」の意味。 略礼服のこと。モーニングコートイブニングコートなど、最も正式なフォーマルウエアに対して使い、ブラックスーツなどを指す。日本では、このブラックスーツフォーマルスーツ、礼装となっている。

インナーベルト

シャツがまくれあがらないように、スラックスウエストバンド※の内側に付ける布帯。多少の伸縮性があり、表面感がざらついている。また、前記の機能のために、スラックスの中にしめるゴムベルトのことも指す。別名はインサイドベルト。パンツの裏側に付けるウエストバンド(腰帯)に、このすべり止め機能を持つゴムベルトが縫い付けられ一体となっているものも多くあり、そのすべり止め機能は、ゴルフパンツなどスポーティーなものほど工夫がされ、強いものとなっています。
※ズボンやスカートなどの腰帯のことで、とくにズボンの上部裏側につく腰布のこと。

ウイングカラー

フォーマルスーツに使われる衿型で、立ち衿の衿先のみが、小さく三角形に折り返っているシャツカラー。燕尾服や社交ダンス用には、シャツの胸部分をかたく糊付けされたイカ胸ウィングカラーのシャツが着用される。

ウイング・ショルダー

肩先にちょうど翼(ウイング)のような張り出しのついた肩デザイン。肩を強調するファッション傾向から生まれたファンシーディテールのひとつで、鳥の翼のように肩先がやや上向きに張り出した肩のラインをしており、レディーススーツジャケットブルゾンによく用いられる。

ウインザーカラー

シャツ用語で、別名ワイドスプレッドカラー。えり羽開きが100度~120度前後の衿型。ウインザーカラーは俗称で英国のウインザー公にちなんで名付けられた。またネクタイの結び目が大きいウインザーノットが似合う為、ウインザーカラーともいう。

ウインザーノット

ネクタイの結び方の1種で、ノット(結び目)が最も大きくなる方法。プレーンノットに比べて、輪を両側に2個つくって結ぶところから、この独特な型ができる。ウインザー公が好んで用いたことからこの名称が生まれたという。なお、これに合うシャツカラーはワイドスプレッドカラー※である。
※男物シャツの衿型のバリエーションで、衿の前が開いた形。ワイド・スプレッドは大きく広げたといった意味。ヨーロピアン・スタイルコンチネンタルカラーともいう。

ウィンドペン

シャツの柄で、地の上に一色の細い線で四角く構成されたチェック。ウィンドウ(窓)ガラスの枠に似ているのでこう呼ばれた。クラシックトラディショナルな印象を与え、チェック柄の中では子供っぽくならず、存在感がある割に、すっきりさと上品さをアピールしやすい。グラフ・チェックとほぼ同じである。

ウーステッド

「梳毛」のこと。 また梳毛糸(ウーステッドヤーン)で織った織物(梳毛織物)の総称。原毛の段階で梳(くしけず)られた長くて細い、なめらかな感触をもつ糸(長繊維)で織られている。ビジネススーツのもっとも一般的な生地である。織り目がはっきり出ること、コシが強くてシワになりにくいこと、張りがあることである。あまり地厚でない素材が多い。

ウール

羊の毛のことで、動物繊維の一種である。羊毛を用いた糸や(=毛糸)や織った布もウールと呼ばれる。一般的には羊の毛を指すが、広義ではアンゴラアルパカラクダの毛も含まれる。

ウールタイ

ウールを素材としたネクタイの総称。 ネクタイ素材の多くは、シルクやシルクと合成繊維の混紡を錫増量加工して使われ、主にビジネス向きとされる。しかしカジュアルな雰囲気を出すにはウールタイが最適。カントリーライクな服装にはツイードなどのネクタイが多く使われている。また、薄手タイプのそれも数多くみられる。産地や糸種などによりバラエティが多く、ジャケットやコート、ボトムスなどカントリー調の衣服などに用いられる。

ウエストコート

ウェストコートは、男性の洋装において上衣の下に着用して胴体部分を覆う被服であり、主に正装や礼装、或はスリーピーススーツに中着として着る、袖の無いベストを意味する。チョッキ胴着胴衣とも呼ばれている。

ウエストダーツ

シャツの身頃スタイル。前や後身頃のウエストをつまみ縫いした部分。ウエストを絞ってぴったりしたラインを出す時に入れる。

ウーレン

ウールの中でも毛足の短いものを用いた繊維の総称。短い繊維を紡いで糸にすることから紡毛(ほうもう)と呼ばれている。縮絨(しゅくじょう)起毛(きもう)などの仕上げをされる地厚のものが多く、フランネル、メルトンなどが代表的。対語は「ウーステッド」。

ウエッジライン

楔(くさび)形のライン。ちょうど楔をたてたようなシルエットをいい、1970年代にスーツの流行型となっている。肩が広く、裾にいくにつれて細くなる逆三角形ラインVラインが、この代表的なもの。現在、主流のスーツの形は、ウエストの絞りがきつめで、裾にかけてフレアするシルエットを持つものが多いため、ウエッジ・ラインのスーツを見ることは少ない。

ヴェステッドスーツ

ベストつきのスーツという意味だが、一般のスリーピーススーツと違って、特にベストスラックスを共地にし、よくコーディネートされたジャケットを組み合わせたそれをさすニュアンスが強い。難しい着こなし、コーディネートのようだが、ベスト+パンツを共生地で作り縦のラインを揃えるというのは、見た目がすっきりして誰にも似合います。

ウエルテッド・ポケット

へり飾りのあて布を付けたポケットのこと。 背広の胸ポケットがこれに当たる。ウエルトとは「へり飾り」のこと。ウエルトポケット箱ポケットともいう。

ウェルトシーム

ステッチの一種。幅7mm程度のシングルステッチで、アイビージャケットでは、肩・背中・襟やパンツなどに施されている。

ウエスマン

スラックススカートの上部に位置する腰帯部分、つまりウエストバンドで日本での俗称。主にスラックスの裏側に付けられる、腰裏のことをいうことが多い。シャツなどがパンツからはみ出ないように滑り止めが付いたものをマーベルとという。内側にドルポケット(小銭入れ)が付いているものもある。

ウェルトポケット

いわゆる箱ポケットのこと。スーツジャケットの胸ポケットやコートの腰ポケットなどに多く使われている、帯状の切りポケット

ウォーキング・スーツ

散歩服として19世紀、主にイギリスで着られたスーツのこと。原型はウエストが細くつまり、モモくらいまでの丈があり襟元がつまった形となっている。
現在は散歩用にスーツを着るという習慣はないので、歴史的に過去の洋装・洋服として着られたスーツをファッションとして考える時に書籍などで見かける以外にはない。スーツの形としても、タイトなウエスト、サイレングスのジャケット丈は、機能的というよりも優雅に見えるシルエット。
ウォーキングという言葉からは、健康・ダイエットという言葉が思い浮かび、スーツとなるとダイエットスーツ的な、サウナスーツの印象が強いが、当時ウォーキング・スーツは激しい運動などには適さない。
散歩用に着られるための衣装として、一部の上流階級の人たちに流行したトレンド的なものである。

ウォーキング・フロックスーツ

1900年代に流行したスーツのひとつで、おおむね3個ボタンとしたカッタウエーコート(モーニング)に共地のウエストコートと脚にぴったりフィットしたトラウザースを合わせたスタイルになっている。
フロックというと、現在の昼間の正礼装・モーニングコートの前の正礼装として着用されていたフロックコートを思い浮かべるが、このフロックはもともと16~17世紀ごろにヨーロッパの農民階級の労働者に外出着・作業着として着られていた、素材も粗末なもの。
このフロックはこの後、富裕な上流市民に受け入れられ、上質な生地・仕立てで仕立てられるフロックコートとなった。また他方ではベスト(ウエストコート)と揃いで着る3つ揃いスーツ・英国紳士の正しい外出着としてのスーツ、ビジネススーツの原点となっている。
当時のフロックコートのダブル6釦3掛、ヒザ丈までの長さのジャケット丈から、ウォーキング・フロックスーツでは、フロントカットモーニング同様動きやすいように(乗馬しやすいように)カッタウェイされているのは、機能性を取り入れた結果である。

打ち込み

スーツやジャケットの生地の織り感を表現するときに、よく使われる打込みは、一定の長さの間に織り込まれる経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の本数のことで、この織り込まれる各糸の本数が多いものを「打込みが強い」「ハリ、コシがある」といった言われ方がされ、糸密度の高い丈夫な生地になる。

打ち抜きボタン

フライフロント(比翼)に対して、ボタンを外側まで出す仕立ての方法。背広上着のボタンは、ほとんどがこの方法になっている。比翼開きが、フロント部が二重の作りになっており、その二重フロントの間でボタンを止め、前からボタンが見えないようになっているのに対し、この打ち抜きボタンは、ボタンが見えるものである。

裏前立て

別名フレンチフロントと言われるシャツの前合わせの作り方で、シャツの前端を内側に折って、補強用とされることから「裏立て」とも呼ばれています。フレンチフロントで作られたシャツは、シンプルな前立ての作り方のために清潔感があり、フォーマルに向いたシャツスタイルとされています。

Aライン

タイトな肩巾から、フィットしたバスト、裾にかけて大きくフレアするシルエットのこと。高い位置にウエストラインがあり、切り替えをもたないため、タテの線をすっきり見せる効果があり、上背を高く見せてくれる。アルファベットの「A」字形に見えるこのシルエットは、1955年春にクリスチャンディオールによって発表され、1960年代に爆発的に流行したドレスのシルエットである。

AMFステッチ

AMFステッチとはハンドステッチミシンを使った手縫い風の縫い目のこと。AMFとはこのミシンを開発したアメリカの総合機会メーカー「アメリカン・マシン・ファウンドリー社」の通称でブランド名にもなっている。ミシンのモーターの回転数が少ないため、制作には他のミシンステッチよりも時間がかかる。また、スーツなどの生地と違った色が使われることが多く、生地より太い糸によるステッチで、表に見えるハンドメイド風のステッチの味が高級感をかもしだすためスーツを中心にフロント部分だけでなく、背中、肩、袖の縫いなどにも多様されている。

エイビエイター・ジャケット

大きな衿、斜めジッパー、フロントジッパー、ポケットを特徴としたウエスト丈の短い上着衿に毛皮を付けたり、ショールカラーでボタンフロントにするなど、そのデザインの変化は多い。飛行機乗り愛用のジャケットだったが、今ではオートバイライダーたちに良く着られている。エイビエイターは飛行士のこと。
ショール・カラー
へちま衿のこと。タキシードドレッシング・ガウンによく見られる。

エクストリームアイビー

ニューヨークのグリニッジビレッジに集まるビート族や黒人達の間で流行した、パロディースタイルのアイビースーツのこと。別名グリニッジアイビー

エスカイアノット

ネクタイの結び方の1種で、セミウインザーノットの別称。 その昔、アメリカのメンズマガジン「エスカイア」が紹介した結び方といわれる。セミウィンザーノットはウィンザーノットが左右両側に輪を作って結ぶネクタイの結び方なのに対して、片側のみを一重結びとなるプレーンノットで結ぶため、結びめが小さくなります。そのためハーフウィンザーノットとも呼ばれており、クラシコスーツブリティッシュスーツなどビジネススーツのシャツ衿として人気の高い、ワイドスプレッドの衿型シャツとも相性の良い結び方である。

エポーレット

肩章肩飾りのこと。トレンチコートジャケットの肩に多く見られるタブ状の共生地で作られた布片で、その由来は兵士などの肩当てに使用されていたもの。

エムズアーク

御幸毛織が創業百周年の記念として2005年に立ち上げたブランド。

衿先

襟の先端のこと。

衿羽

シャツの襟台にそってつけられた、襟型を構成する部分のパーツ。一般的にと言われている部分。

衿高

シャツ襟の高さのこと。前と後ろで襟の高さが違うものがほとんどである。

衿台

ドレスシャツブラウスに付いたバンド状のもので、衿を立たせるための土台になる部分

衿芯

カラーステイカラーキーパーと同義。

エルシェープドラペル

背広の衿型の1種。 上衿が下衿よりも巾が狭く、衿きざみがL字形になったラペルのこと。変わり衿型でコンテンポラリーモデルに見られる。セミピークラペルの上衿(カラー)の巾を極端狭くしたような形がイメージ。衿きざみがL字形若しくは衿きざみがなく、上衿と下衿をつなぐ位置のエッジがL字形となっている。

エルボーパッチ

スポーツジャケットセーター袖の肘(エルボー)に付けられるあて布のこと。革で作られることが多く、消耗の激しい肘部分を補強するという機能的な面よりもアクセントとして付けられることが多い。

エルメネジルド・ゼニア

エルメネジルド・ゼニアは、1910年にエルメネジルド・ゼニアによって創立されたイタリアを代表する世界的ファッションブランドミラノに本社を置く。

エンブレム

紋章」のこと。 ブレザーの胸ポケットに飾る縫いとりで、俗にいう「ワッペン」。ヨーロッパの貴族などが、家族・一族を象徴する印として、盾や旗などをモチーフに描いた盾型の紋章に由来するもので、現在では学校やクラブを表わすマークとして、ジャケットの胸位置に取り付けられることが多い。

オッド・ウエスト・コート

替わりチョッキの英国的な呼称。 オッドベストファンシー・ベストに同じ。ベストにはチョッキウエストコートジレなどいくつかの呼び方があり、ウエスト・コートベストブリティッシュスーツに合わせるスーツベストを呼ぶときに使われる。

オッドべスト

替わりチョッキの総称。 “ファンシーベスト“ともいう。スリーピーススーツにみられる共地のベストは”スーツベスト“と呼ばれている。柄物が多くカジュアルな雰囲気が楽しめる効果がある。織物によるベストの他、ニットでのベストも最近人気がある。

オッド・ジャケット

オッドとは「片輪の」「ちんばの」といった意味。 つまり、それひとつでは成り立たない性格を持った上着のことをさしているが、一般にスポーツジャケットブレザーなどを含む替え上着の総称をいう。

オーダーメイド

オーダーには大きく分けて、パターンオーダーイージーオーダーフルオーダーがある。パターンオーダーは、基本的なデザインが決まっていて、採寸を行ってサイズを注文者に合わせて製作するものである。フルオーダーになると、専用の型紙を起こして製作する。フルオーダーでは一般に途中で仮縫いが入る。イージーオーダーフルオーダーの簡易版であり、既存の型紙をベースにしつつ注文者の体型に合わせた補正を加えて製作する。また、ス・ミズーラと呼ばれるものがある。これは以上の3者と異なり、テーラーではなく特定のブランドに依頼するもので、そのブランドが考えるクラシカルなスタイルを基本としつつ、ディティールを注文者の自由とし、注文者の体型に合わせて製作するものである。

オーバー・ザ・シート・レングス

シートは尻、ヒップを意味することから、ネックラインから裾までの丈の長さであらわすジャケットコートの着丈の長さ(コートレングス)のうち、シート(ヒップ)が隠れる程度の長さのこと。

オープンシャツ

クラシックスタイルが流行した以前には、スーツの下からシャツ衿をのぞかせて着用する夏用のビジネスシャツとして多くのビジネスマンにおしゃれな小道具として使われていた、オープンカラー(開衿)が特徴的なスポーティーなシャツのこと。
クラッシク・スタイル
伝統に培われ、長期間すたれずに持続する普遍的なスタイル。

オールインライン

ダブルブレステッドジャケットのボタン配列の一種。4個から8個ボタンのダブルブレステッドの上着で、ボタンの配列が垂直で同巾になっているものをいう。このオールインラインは、同じダブルジャケットの釦配列でいう、スプレッドアウトに対するもの。どちらかといえば、スプレッドアウトのほうが一般的で、一番上に配置される左右2個の釦間隔が、その下に配置される左右2個の釦間隔よりも広くとられているもの。

オックスフォード・バッグズ

スラックスの1種。 1920年代に、英国のオックスフォード大学の学生たちが使い始めたことから流行した。極端に太いシルエット、ちょうど、バッグ(袋)のような形であるところからこの名が付けられた英国の俗語。股上が深く、広いウエストバンドがつき、1本あるいは2本のタックをとり、ヒップから裾にかけて太いままのシルエット、裾の折り返しは深く付けられているのが特徴。バギーパンツの原型

オックスフォード

ブロードクロスよりも目の荒い平織りシャツ地のこと。 正しくは”オックスフォードシャーティング”という。コットンで織られるシャツ生地で、2本ずつ引き揃えた斜子織りは籠の目のように見えることからバスケット・ウィーブホップサックと言われています。シャツ生地としてはポピュラーなもの。

オプション

ステッチボタン、裏地などに、お客様独自のワンポイント加工を入れて個性を演出すること

オルタネイト・ストライプ

シャツの柄用語。2種類の異なった色や幅のストライプが交互に並ぶストライプオルネタイトは「交互の」という意味。

表前立て

シャツの前開き(フロント)の前端部分を、表側に折り返してステッチなどを入れ、前立てとしたプラケットフロントのこと。プラケットフロントは、英国式のシャツ仕立て
であることから、ブリティッシュ・フロントパネルフロントの別称で呼ばれることがあります。