採寸

衣服を仕立てるため、必要な身体の各部分の寸法を測ること。服の仕上がりに大きく影響する。

サーティースルック

サーティース(1930年代)に流行した背広のスタイルで、それを現代風にアレンジしたもの。ボールドルックと同義で、肩幅がやや広くて張りがあり、衿幅は広く、上着丈も長い。柄もチョークストライプなどボールドなものが主で、その代表的なものは1930年代のシカゴギャングたちの服装に多く見られる。

サイドプリーツ

シャツの後身頃のボディ型レギュラーワイドカラーでよく使用されるもの。

サイドベンツ

背広、上着のベンツ(後ろの割れ目)の1種。 両裾脇が開いているもの。ヨーロピアン調のものに多く見られるがコンテンポラリーモデルでは、ごく浅くとられたものがある。深く割られたそれをディープサイドベンツという。日本では、俗に「剣吊り」と呼ぶ。サイドベンツ着心地的には腰まわりが楽になり、また入れることでヒップが見え隠れするほど足を長く見せるという効果をもつが、ディープ・サイドベンツとすることで、さらにその効果は増す。

サイドポケット

上着やスラックスなどの脇ポケットの総称。ジャケットやコートのそれはウエスト位置についていることから、ウエストポケットロウアーポケットとも呼ばれる。箱ポケットがウエスト位置につけられている腰ポケットのことを、ボトム・ウエルト・ポケットという。

細腹(さいばら)

立体的な人体に沿うよう、前身頃・後ろ身頃・脇の3つに分類して裁断されるパーツのうちの脇の部分のもの。サイドパートサイドボディーともいわれる。ジャケットの脇下の部分に、はめ込む形で構成する、パネルライン・ジャケットの前身頃と後ろ身頃の間に縫われる。

サヴィル・ロウ

ロンドンの西端にあるストリートの名前で、一流の有名な紳士服の仕立て屋(テーラー)が軒を連ねる。スーツ発祥の地と呼ばれるロンドンでも、有名な仕立て屋はここに集まる。一説には「サヴィル・ロウ」が訛ったものが日本語の「背広」となり、語源であるとも言われている。かつてはウィンストン・チャーチルやホレーショ・ネルソン、ナポレオン3世などの顧客を抱え、チャールズ皇太子など王族も通うことから「golden mile of tailoring」の異名をもつ。

サックスーツ

いわゆる「背広」のこと。 アメリカで背広に対して使われる言葉で、シングルブレステッドのスーツのこと。イギリスでラウンジスーツと呼ぶのに対して用いられる。背広の上着はサックコートと呼ばれる。共に「袋のようにゆったりした」の意味が由来。

サドル・ショルダー

ラグランスリーブのように見えるセーターの肩スタイル。実際それと同じ作り方になっているが、特にセーターなどニットウエアに用いる言葉である。厳密には、ラグランスリーブの肩部分が、名前の由来ともなっているサドル(鞍)をかけたように見える形となっていることから、サドル・ショルダーと呼ばれる。シルエットはラグラン・ショルダーのやや角張った形をしており、そのためサドル・ラグランとも呼ばれることがある。

ジェッテッドポケット

両玉ブチのポケットのこと。 ダブルパイピングポケットともいう。ジェッテッドは「噴出する」とか「突出する」という意味で、一般にフタを付けているため隠れている玉縁が露出しているという意味。玉縁はポケットの切り口を共生地または別布をバイアスカットしたものを、縁取りとして付けたもので、もみ玉などとも言われるもの。

地襟(じえり)

テーラード~カラーなどの裏襟のこと。

刺子織

シャツの用語で、平織りなどの生地に刺繍をしたかのようにやや太めの糸を浮かせて織り、ストライプやチェックといった柄・模様を表現したもの

シーアイランドコットン

世界三大超長綿の一つ。超長綿の中で最も毛足が長い。カリブ海西インド諸島産で、英国皇室御用達のコットンとしても有名。日本では海島綿とよばれる。

シー・ピー・オー・シャツ(CPOシャツ)

アメリカ海軍の下士官CPO(チーフ・ペティー・オフィサー)が艦上で着用した制服デザインをモチーフに作られたシャツ型のジャケットのことで、両胸のパッチフラップポケットエポーレットを大きな特徴とする。

シェファード・チェック

シャツの柄で、別名を小弁慶格子という。地色に黒か茶・赤などの濃淡2色の構成で同じ幅の小さなチェック柄。ハウンド・トゥース(千鳥格子)と似ていますが「牙」のような突起柄がないのが特徴。 スコットランドのシェファード(羊飼い)が着ていたことからこう呼ばれる。

システムオーダー

イージーオーダーセミオーダーと同じ。縫製工場で対応することができるパターン(型紙)、シルエット、デザインがあらかじめ用意されており、それらの中からデザイン等好みのものを選び、注文主の身体のサイズに合わせてスーツを作る仕立て方。

シックンシン・ストライプ

シャツの柄で、別名親子縞太い線と細い線が一組になっている縞を並べたストライプ

ジップ・フロント

前開きをジッパー留めにしたフロントデザインの総称。ジャンパーやブルゾン形式のジャケットに多く見られるもの。着脱が容易で防風効果も高いため、スポーツ競技用、観戦用にも取り入れられている。昔のものと比べ、故障も少ない。金属製のジッパーに比べナイロンファスナーは軽く、扱いやすいためデリケートなパンツ前開きにもナイロンファスナーを使用する場合が多い。

ジャカード

フランス人、ジョセフ・マリー・ジャカード氏の考案した編機によって作られる編み込み模様のことで、模様に応じて穴を開けられた紋紙で、糸の開口を制御し、模様が織り出される。柄の変化と種類は多く、セーターや靴下に利用されている。

ジャケット

一般に上着を意味する。特に背広型のそれをいうことが多いウエストレングスのジャンパーから、スリークォーターレングスのコートまでジャケットと呼ばれることもあり、その種類と変化も多く、テーラードの背広型のものの他、カーディガン型パーカ(ジャンパー)型ボレロ型などがある。

ジャーマン・コンチネンタル

コンチネンタルモデルのひとつで、ドイツ型のものをいう。 全体に保守的なイメージがあり、カチッと決まったスタイルが特徴である。ナチスの軍服などに見られるように、直線的でエレガントな雰囲気を好むのがドイツ人の国民性だともいえるだろう。アメリカン・スタイルのイージーで気楽な感覚、イタリアン・スタイルの自由な感覚に比べて、堅実で、ファッション性を追究するよりも、機能性・実用性に優れているコンサバティブなイメージ

シャツ・カラー

衿腰の付いたシャツカラーの総称。 また、ジャケットなどの衿型の1種でシャツタイプのものもこう呼んでいる。狭い意味では、カッターシャツのような台衿に上衿を付けたタイプのものをいうが、シャツカラーといえば単純にシャツにつけられた衿を総称することが多く、そのため台衿のない一枚衿オープンカラー(開襟シャツ)ハマー・カラーなども含まれる。

シャツ・スーツ

ノンスーツの1種。 シャツ的なデザインの上着とスラックスでスーツを構成したものを言う場合と、シャーティングスーツに仕立てた場合の両方をいう。このシャツのようなデザインをしたジャケットと、シャツ生地でスーツを仕立てるというのは、似て非なるもので、前者のジャケットの仕立てはシャツ職人、後者のジャケットはスーツ職人ということになる。

シャドー・ストライプ

シャツ用語。撚り方向の違う糸を組み合わせて使い、それによって形成されたストライプ。一見すると普通の無地スーツのようにも見えるがある角度で光が当たることで、ストライプ柄が浮き出てくる。

ジャズ・スーツ

第一次世界大戦後に流行したスーツの呼称。 ペッグトップモデルのトラウザースナロー・ショルダー(狭い肩)のジャケットを組み合わせたスタイル。ジャケットは特にディテールに凝っていて、胸が極端にフィットし、裾で大きく広がるフレヤード型であり、背中はプレーンまたは、ピンチバックコートのようにしたものもあった。多くは深いセンターベントでボタン数は1、2、3個と種類も多かった。

シャンブレー

シャツ用語。経糸に色糸・緯糸に白糸を使用して織った平織りのもの薄手で艶があり、淡いパステルカラーが特徴的。

小弁慶格子

シャツの柄で、シェファード・チェックのこと。地色に黒か茶・赤などの濃淡2色の構成で同じ幅の小さなチェック。

ショートポイントカラー

標準的なシャツ衿・レギュラーカラーの衿先の長さ7cmよりも短い6cm以下のシャツ衿のこと。この衿先の短いショートポイントカラーに対して、長い衿先をもつ衿型をロングポイントカラーといい、8cm以上の衿先長さになる。

ショールカラー

帯状の肩掛けの形をした襟。ショールは肩掛けの意。日本名ではへちま襟
タキシードに多く使われる襟の形で、下襟の先が丸く緩やかにカーブしているのが特徴。ジャケットに付けると、少しマニッシュさとフォーマル感が高まるためエレガントさを強調できる。ニットなどの襟に使うと、逆にやわらかいイメージを演出できる。

ショルダーヨーク

シャツ用語で、肩の部分に入れられる当て布のこと。布を体のふくらみに合わせる機能的な面と、ギャザーフレアを入れるための装飾的な面がある。

ショルダー・ライン

肩線、なかでも背広ジャケットのそれを総称する。 肩線は背広全体のシルエットを決定付ける大切な要素である。多くのモデル(型)は肩線を見れば、容易に想像がつくともいえる。ナチュラルショルダー、ナロー・ショルダーはトラディショナル型を、コンケーブ・ショルダーラインはヨーロッパ型の背広をそれぞれ代表している。

ジレ

ベストチョッキをさすフランス語。カーディガンや女性の肌着などを意味することもあるが、 もともとは華美な装飾をほどこした袖なしの胴着のこと。現在では英語でいうベスト、英国スーツ的ウエストコートとほぼ同義に扱われ、その種類とデザインの変化も多い。

シルク

日本名のことで、蚕の繭からとった天然の繊維繊維のあらゆる種類のなかで、もっとも上品な光沢をもっているといわれている。さらに、細くて、強く、染色も容易であり高級な和服地に多く使われる。

シルケット加工

濃度の高い苛性ソーダーを使って、生地を引っ張りながら乾燥させることで美しい光沢や独特の風合いを生み出す加工方法のこと。マーセライズ加工ともいう。

シングル・カフス

シャツの袖口をダブルカフスのように折り返さない、一重のかたく糊付けした作り方をされたシャツカフスのこと。このシングルカフスの袖口がバレル(樽)のように見えることから、バレルカフスとも別称される。

シングル・ブレステッド

ジャケットコートなどの前の打ち合わせがシングルになっているものの総称や、またそうしたスタイルのこと。一般に「片前」という。この場合の衿型はノッチドラペルが使われるのが主流である。

芯据え(しんぞえ)

服作りの中で最も重要な作業。前身頃の表地を芯地に馴染ませるため、しつけ糸で留めていく。

スーツ

ジャケット、ベスト、スラックスの3つ、またはジャケットとスラックスのふたつを同生地・同色柄で仕立てた一式のこと。一般にいう「背広」で、前者をスリーピーススーツ(3つ揃い)、後者をツーピーススーツ(2つ揃い)と呼ぶ。ツーピース型はスリーピース型の略装とされているが、新しい概念のスーツでは必ずしもこの型式をとらないものが多くなってきている。

スート・スーツ

上下を共地で仕立てたごくオーソドックスなスーツを強調して言う言葉。デュオス、トリオスなどこれまでの概念を超越したスーツが数多く登場し、上下が必ずしも共地でなくてもスーツと呼ぶ考え方が徐々に一般化している現状から「正確な背広」という意味であらわれた用語である。

ズート・スーツ

1940年代初期に流行した、極端にだぶだぶしたシルエットを特徴とするスーツ。大きな肩パッド、膝までの長い上着丈、裾口で急につまった感じのスラックス(ペッグトップスラックス)を合わせる。品の悪い連中の好んで着たスーツであったが、クラシックリバイバルの影響で、またぞろ復活しそうな気配がある。ちなみに”ズート・スーツ・ルック”を着込んだ若者たちのことを”ズート・シューター”と呼んで、大人たちは軽蔑していた。

スーパー100’s

スーパー○○とは、 その服地に使われている原毛(ウール)の細さを表していて、良い生地を見分けるための一つの要素である。原則としてポリエステルなどの化学繊維が混ざっている生地には表示できないことになっている。良質なウールになるとスーパー100、110と数字が上がっていき(「番手があがる」という)、ゼニアやロロピアーナクラスになると、多くはスーパー120~130が使われている。 なかには「Super160’S」という超極細番手の原毛を使用した服地もあり、 その細さはカシミヤとほとんど変わらない(15.5ミクロン)ため、 手触りもカシミヤのようにやわらかくて独特の艶が出る

スーピマ綿

世界三大超長綿の一つ。アメリカ南西部産。ピマコットンの改良種スーパー・ピマの略。しなやかで柔らかく、耐久性に優れたコットン。収穫量が比較的安定している超長綿。

スキッパー

シャツ用語。胸元がV字など比較的大きく開いた部分に、襟をつけたデザインの襟型のもの。

スクープ・ネック

首元を大きく楕円形にえぐりとったような形をしたネックラインのことで、U字型の衿あきとなるUネックライン(ホースシュー・ネックラインと同じ)をさらに深くした感じの衿形。スクープト・ネックラインは、スクープに「すくう・えぐる」といった意味がある。

スクエア・エンド・タイ

フォーインハンドなど一般的なネクタイの先端が、剣型であるのに対して、先端を水平にカットしたネクタイのことで「角タイ」とも呼ばれる。巾の狭いニットタイの形として用いられることが多く、カジュアルの雰囲気が強いのが特徴的なところですが、ジャケット着用時のシャツに合わせるフォーマルなコーディネートにも使われる

スクエア・ショルダー

背広の肩線の1種。 角張って先端がやや持ち上がって見えるもの。スクエア(四角い)の肩線を持つ背広は、ネックポイントと肩先点を結ぶショルダーラインが水平に近い、いかったもの。このスクエア・ショルダーの肩線は、裁断やパッド厚を調整することで構築される。人の標準的な体型よりも怒り肩に裁断・カットし、パッドなど詰めものをすることで、角張った肩線が作られる。

スクエア・フロント

上着の前裾に丸みをつけず、角型にしたもの。 レジャー用のジャケットなどによく見られるデザイン。オーダースーツのジャケットシルエットでは、パターンオーダー的に標準セットされているフロントカットがある場合をのぞき、前裾の丸み・開き具合を調整することができる。スクエア・フロントのジャケットは比較的めずらしく、ダブルジャケット標準のダブルカット(スクエアカット)とも、また異なるもので、一般的に小丸なジャケットの前開きの丸みをとって角張らせたもの。

裾回り

シャツの裾の1周分の寸法のこと。

スターチド・ボザム

男性用の正礼装、フォーマルスーツの中でも一番格式の高い燕尾服(テールコート)用のドレスシャツ胸(ボザム)部分を共生地を重ねるなどしてかたく糊付けして作られた胸当てのこと。一般に「イカ胸」と言われるシャツの胸部分の作り方で、別名「スティッフ・ボザム」。

スタンドカラー

ロールカラーや、衿腰のある折り返った衿型に対して、ネックラインからまっすぐ立った衿、立衿の総称。 ネールカラーマオカラーなど重衣料(コート、スーツ、ジャケットなどのクロージング類)に使われるほか、ミリタリー調のシャツウエアなど軽衣料(軽い感覚の中着)にまで広く使われ、デザインの変化も多いスタンドカラー日本での造語であり正しくは英語で、スタンドアップカラースタンディングカラーといい、バンドカラーもほぼ同様の意味をもつ。

ステッチ

縫い目のこと。手縫い、ミシン縫い、刺繍などを総称するもので、フランス語ではポワン、ドイツ語ではシュティッヒ、イタリア語ではプントと呼ばれており、世界各地で考案されたステッチの種類は豊富である

ステッチ・ワーク

仕立てる上での縫い目とは別に、装飾を目的にして縫う、荒い縫い線のこと。刺繍エンブロダリーダブルステッチに見える伏せ縫いなど、例外的に両方の目的を兼ねることもある。正しくは”スティッチ”と発音し、本来「縫い」「編み」「刺し」「針目」の意味。

ストーブパイプ

ストーブの煙突のように、ヒップから裾までストレートな円筒型になったスラックスのシルエットアイビースラックスに見られる型。パイプドステムとも呼ばれるスラックスのシルエットで、全体的に細身のシルエットを特徴とするノータックパンツである。

ストリング・タイ

ストリングには「ひも」の意味があることから、紐状のネクタイのことで、細いひもを、衿元で蝶結びにしたり、結ぶかわりに金属や石の留め具で留めて使う。

ストレートカット

水平にカットしてあるシャツの裾のことで、裾を出して着用するのに適している。

スナップダウン

シャツ用語で、衿先を身ごろにスナップボタンで留めている衿型

スプレッド・アウト

ダブルブレステッド6つボタンの中がけ、または下がけとなったジャケットで、一番上のボタンが左右に開いてつけられる型をいう。オールインラインに対して用いる言葉。オールインラインは、ダブルジャケットで左右に付けられる釦配列が縦では直線的、並列に釦位置が配置されるもの。現在仕様のダブルジャケットでは、スプレッドアウトのほうが一般的である。

スプリット・スーツ

組み合わせ式のニュースーツのひとつで、ジャケット、ベスト、スラックスの3種を別の素材で仕立てて、コーディネートさせるという新しい感覚のスーツのこと。オッドジャケット、オッドベスト、オッドパンツを3つ揃いの形でバランスよくコーディネートし、組み合わせて着用するもので、洋服全般にわたるその組み合わせのテクニックをプットトゥギャザーという。これら3アイテムを同様に別素材で組み合わせるコーディネート「トリオス」は同じもの。

スポーツシャツ

シーズンのクールビズ時には、ネクタイなしで着られることも多い半袖、長袖などカジュアルなシャツのこと。スポーツシャツの作られる素材・色柄はとても豊富で、グラフ用紙ほどの小さなチェック柄のグラフチェック、2色の格子で作られるタッターソールチェック、カラフルな色数の縞で作られるベンガルストライプなどが代表的である。

スポーツタイ

最近人気の、カジュアル用のネクタイを総称したもの。 細幅で短いものが多く、素材もウール、コットン、レザー、ニットなど多岐にわたる。これをカジュアルな布帛シャツやポロシャツなどにあしらうというのが近代的な着こなし

スポーティ・スポーツシャツ

スポーティ・スポーツシャツは、衣服のカジュアル化がすすみ、ドレスシャツスポーツシャツなどのカジュアルシャツとの差があまりなくなってきたことから、スポーツシャツらしいスポーツシャツ、本格的なデザイン仕様で作られたスポーツシャツを強調してこのように呼ぶようになった。アメリカ海軍下士官の制服をモチーフに作られたCPOシャツなどに対して使われている。

スラッシュ・ポケット

スラックスのサイドポケットに見られるもので、縫い目に沿って深い切り込みがとられたタテ型のポケットであり、断ち目ポケット貫通ポケットとも言われ、挟み込むような外観をしている。また上部でわずかに開いた形のポケットのことも意味し、前者をバーチカルスリット、後者をフォワードカットと特に呼ぶことがある。フォワードカットとされるスラッシュポケットは、主に装飾的な意味合いが強く、中の裏地や衣服を見せたり、別布をはめこんでデザインされたファッション的なものである。

スリーピーク

ポケットチーフの飾り方の1種で、胸ポケットの口から三角形の頂点が3個見えるものもっともフォーマルなスタイルに適している

スリーブ・トップ

袖山のこと。袖の部分で肩先となる一番高いところをいう。ブリティッシュスーツでは、肩先を盛り上げたビルドアップショルダーが特徴的

スリット・ポケット

箱ポケット玉ぶちのポケットのこと。ジャケットやスーツに切り込みを入れ、内側に袋布のあるポケットの切り口を飾ったもの。スリットは「細長い切れ目」を意味し、ジャケットの袖口やスカートやパンツの裾に開けられることが多く、装飾的に用いられることのほか、運動量を増すためのデザインとされることも多い。ベントと異なるところは、ベントが片重ねといわれ布地が重なる部分を持つのに対し、スリットは重なる部分を持たない突き合わせなところ。

スプリット・ラグラン

ラグランスリーブの変種で、肩の縫い目から前が“セットインスリーブ(普通袖)”、後ろが”ラグランスリーブ”となってる袖のこと。ワンサイドラグランともいう。紳士物のスプリングコートなどによく用いられる。スプリット・ラグランは、スプリット・スリーブとも言われる。スプリットには分割するという意味があることから、肩線から前身を普通袖、後身が衿ぐりから脇下にかけて斜めの切り替えが入り、肩とひと続きになったラグラン・スリーブとなっているものを、スプリット・ラグランと呼ぶ。

スポーツスーツ

スポーティな感覚をもって登場したニュースーツのひとつで、次の特徴がある。①前面はスリーパッチ&フラップポケット、バックはセンタープリーツ&ベルテッドなどスポーティなディテールデザインが採り入れられている。②従来、スポーツウエア用であった素材が使われている。③アンコンストラクテッド仕立てになっている。

スラックス

いわゆる「ズボン」のこと。ズボンパンツパンタロンの類語。初め軍隊の俗語で、「だぶだぶの袋」を意味していたが1930年代、セパレーツ型式のゆるいスポーツ用ズボンに使われ、やがてズボン一般の総称となった。欧米ではほとんど使われていない言葉で、非常に日本的な感じのする英語である。一般に「替えズボン」の意味にとられている。

スラックスーツ

シャツまたはシャツ、ジャケットとスラックスを調和色または対照色で一対としたコンビネーション。一般にスラックスを中心として組み立てるもので、シャツスーツの1種といえる。これらのシャツ、ジャケット、スラックスを組み合わせて1つのトータル的なファッションとして着こなす際に、スラックスを中心にその構成を考える。商品化された構成というよりは、コーディネート手法に近い。

スランテッド・ポケット

斜めに切ったポケットのこと。 アメリカのデザイナー、ジョンワイツのデザインしたジャケットのポケットはすべてこのようになっていることでも有名である。

スリーピース・スーツ

ジャケット、スラックス、ベストの3つで構成される本格的なスーツのこと。スーツ発祥の地、英国でのブリティッシュ・スタイルのスーツにはベスト付きであることが欠かせないように思える。もともと、背広はこのスタイルが常識であったが、第二次世界大戦以後、アメリカの簡便ルックの影響もあって長く忘れられていた。しかし、現在ではまた主流となりつつある。「3つ揃い」「3つ組み」のこと。レディースでは、ジャケット、ブラウス、スカートの組み合わせのこともスリーピースという

スリーブ

シャツやジャケット、コートなどの「袖」のこと。 種類としてはセットインラグランセミラグランスプリットラグランドルマンキモノエポーレットドロップショルダーキャップベルパフパピヨンブラウス(ビショップ)シープレッグ(チキンレッグ)トランペットテーパートフレンチ型などがある。

スロートタブ

カントリーライクなジャケットなどに見られる、上衿に付けられた小さな持ち出し(タッブ)のことスロートラッチとも呼ぶ。現在では装飾用のディテールのみでしか使用されることは少ないが、以前は防寒・防風用としての機能的な役目をもっていた。このタブと逆位置の衿裏などに釦などを付け、衿を立てた状態でスロートタブの釦穴で止めることで風除けとするもの。

背ダーツ

シャツの用語で、バックダーツと同義。ダーツを後身頃の左右に入れたボディ型。

セーラー・カラー

水兵のユニフォーム、また女学生のセーラー服に見られる衿型のこと。セーラー・カラーの後ろは四角、前はVネックになっている。伊達に後ろ衿が大きくなっているわけではなく、艦上勤務の水兵(セーラー)が強風から顔を守るため、また遠くからの伝令がよく聞こえるように衿を立てるという機能がある。1900年ごろから着用されるようになった英米の水兵服で、その後子供服のデザインとして取り入れられ、日本では女学生の制服の衿型として用いられていることから、若々しく清潔なイメージのする衿型として根強い人気がある

セットアップスーツ

組み立てスーツと訳される。 ジャケットとスラックスを異素材で仕立ててスーツとして着こなしたり、バラバラのジャケット、スラックスの中から同感覚のものを選んでスーツに組み立てるといったものをさす。商品構成として売り出されたファッション・スタイルというより、着こなし的な感覚、組み合わせる人の個性でコーディネートするものである。

セットイン・スリーブ

普通袖のこと。 一般の背広の袖に見られるような身頃と袖を付け合せたタイプの袖。いわゆるスーツ・スリーブで、山袖と下袖にわけられる2枚袖。この2枚に分割される袖のパーツを筒状として仕立てるのが、一般的なテーラード・ジャケットの袖の作り方となる。

セットイン・ポケット

セットインは、「はめ込み」「縫込み」などの意味があり、パッチポケット(アウトポケット)に対して、切り込みポケットの総称パッチポケットのように生地の表側に貼り付けられたものは、セットオン・ポケットという。ほとんどのポケットの形に当てはめられ、玉縁ポケット(パイピングポケット)ウエルトポケットなど、フタ付き・フタなし、水平・斜めの区別なく、生地表に切り込みを入れ袋布を内側に付けてポケットの形としたものになる。

背抜き

肩の付近にだけ裏布を付ける肩裏のこと

背抜き仕立て

ジャケットの背の部分に裏地をつけない仕立て方法。夏服や合い服に多かったが、最近では暖房の普及により冬服も標準化してきている。

セミウィンザー・ノット

ネクタイの結び方の一種で、ネクタイを結ぶ際、輪を両サイドに作るウィンザーノットの結び方を、片側のみ1重結びとなるプレーンノットで締める、半太結び。ネクタイの結び目(ノット)が最も大きくなるウィンザーノットに比べ少し小さめのノットとなる。

セミクローバー・カラー

背広の衿型の1種。 シングルスーツに標準的な衿型ノッチ衿の上衿だけを丸くカットしたもの。対して、下衿だけを丸くカットした衿型はセミクローバーラペルと呼ばれる。カラーはゴージをはさんで取り付けられる上衿、カラーは身頃を折り返して作る下衿のこと。上衿、下衿とも丸くカットしたものはクローバー・リーフ・カラークローバー・リーフ・ラペルという。

セミノッチド・ラペル

背広の衿型の1種。 ノッチドラペルの下衿の角度を、少しだけ上にあげたもの

セミ・ピークド・ラペル

ピーク・ラペルの下衿の角度をやや下げて小さめにした衿の形式

セミ・ラグラン

一見、普通袖と同じに見えるが袖山からカフスまで縫い目が通っているのを特徴としたラグラン・スリーブのことスプリット・スリーブともいう。ここにいう、前者のセミ・ラグラン・スリーブは前から見たときには通常のスーツ・スリーブであるセットイン・スリーブだが、後ろから見たときには、ラグランスリーブというもの。

セミワイドカラー

シャツ用語で、別名をミディアムスプレッドカラーという。えり羽開きが90度前後の襟型。

センター・プリーツ

ジャケットなどの背中、中央縫い目にとられるヒダのこと。スポーティなアクセントのひとつでありバックベルトと共に用いられることが多いプリーツには2種類あり、布地を折りたたんだできる折り山となる部分をミシンで縫ってしまう「ダーツ」と、折り目のあいまいな「タック」があり、このセンター・プリーツとされるものは、主に「タック」を左右両側から折りこんだ「箱ヒダ」と言われるもの

センター・プリーツ・バック・ベルト

背帯付で背縫いのヒダの呼称

センターボックスプリーツ

シャツ用語で、後身頃のボディスタイルの一種。ボタンダウンシャツの後身頃によくつかわれる。

センター・ベンツ

背広上着のベンツの1種で、背中のセンター・シーム(中央の縫い目)の線が開いているもの。背広の型や流行によって、深くとられたり浅くなったりと変化する。1ヵ所だけに割れ目があるので、正しくは”センターベント“であるが、ベントとは「馬乗り」の意味がある。

側章

フォーマルウエアのトラウザーズの脇線縫い目にそって飾られる比較的広幅の飾りテープのこと燕尾服は2本、タキシードは1本と決められ、朱子織りのシルクやタフタ(木目模様の生地)などから作られる。また、このデザインは儀礼的な軍服や、パレード用の音楽隊のユニフォーム、その他ユニフォームなどにも取り入れられており、近年ではトレーニングパンツにも用いられることがある。

袖後付け

通常では脇から袖にかけて直線に一気に縫い上げるが、袖と身頃を別々に作り、袖を前側にずらして縫製する方法フィット感や着心地がよくなるというメリットがあるのだが、この縫製方法だと袖をあとからつけることになり、非常に手間のかかる縫製方法

袖刳り(そでぐり)

アームホールのこと。スーツなど衣服にとって、袖の付けられる部分で、この袖刳りの形・大きさは着用感に影響が出る。古くはアームサイの呼び名もある。

ソフトカラー

シャツ用語で、柔らかい仕上げの襟のこと。

ソフト・スーツ

ソフト素材、ソフト仕立てを特長にした背広。イタリア系のデザイナーが得意。

ソフト・ショルダー・モデル

アメリカントラディショナル型背広の肩線の新しい呼び方で、ナチュラルショルダーのこと。ヨーロピアン調の影響などから、トラディショナル型の背広も衿幅が広く、全体にシェープドされているが、それに合わせた肩線のことをいう。現代のトラディショナルモデルの主流となっている。また、単に主にメンズのカジュアルジャケットに見られる、肩パッドなし若しくは極力少ない肩パッドを使用した、ソフトな(柔らかな)やさしい肩線のことをいう。

ソフト・ビッグ・ショルダー

流行のビッグショルダー(大きな作りの肩)を、ただワイルドだけではなく、ソフトなイメージに仕上げたもの。いわばビッグショルダーの修正版といえる流行肩。単にソフト・ショルダーという場合、ソフトなシルエットで形成される柔らかな肩線をいい、「肩パッドを入れない」「軽い着心地とするため、肩パッドも極端に少なくする」など、メンズのカジュアルジャケットに多く見られるショルダーライン。