カーディガン・スーツ

カーディガン型衿なしジャケットを組み合わせたスーツのことをいう。小学生などの学生服に見られるほかノンスーツの1種ともいえる。上のジャケットに合わせるものは、スカートでもパンツでも可。ジャケットがカーディガン風の衿なしというのが特徴的で、中には打ち合わせにボタンの付かないものなどもあり、メンズスーツよりもレディーススーツによく見られるコーディネートスーツである。

カーターシャツ

カフタンに似た、ゆるやかなシルエットのプルオーバーシャツ。本来、回教徒の男女が着たシャツまたはブラウスのことをいう。多くは薄手コットン地で作られ、衿なしで両脇裾にスリットが入っている。インド北方の住民が着ていたが、1970年前後から若者のサマーファッションに採り入れられた。カフタンはトルコや中央アジアなど中東地域で広く着られていた民族衣装のひとつ。

貝ボタン

貝を削って作られたボタンで、シャツ用としては高級なものとされる。白蝶貝・黒蝶貝・高瀬貝を材料とした貝ボタンがよくシャツで使われる。小さいものはシャツ用のボタン、大きいものは夏用のジャケットのボタンに使われることが多く、二つ穴、四つ穴などバリエーションも多い。シェルボタンともいう。

開襟シャツ

襟を開いて着るように仕立てたシャツ。ネクタイを結ばないで着る。別名オープンシャツ。映画「アメリカングラフィティ」の若者風俗に由来するグラフィティルックに見られるスポーティーなシャツの衿型である。

肩入れ

スーツの後ろ身頃と前身頃の肩の部分を縫い合わせるときに、くせを取ったり、いせ込んで体型に合わせることを言う。

カッタウェー・フロント

モーニングコートの前裾のように、大きくカッタウェー(切り落とす)されたデザインのことをいう。また、これほど極端ではなくても、大きめにカットされた前裾のことを言う場合もある。現在主流のスーツが、タイト傾向なシルエットのものが多いため、ウエストから裾にかけては大きめに開かれたカッタウェー・フロントのものであることが多い。

カッターシャツ

衿とカフスが身頃についたスーツと合わせるシャツの総称。ドレスシャツワイシャツと同義であり主に西日本でカッターシャツと呼ばれる。

カットタイ

先端を真っ直ぐにカットしたネクタイのこと。

カナディアン・シャツ

シャツ・ブラウスで使われる用語。大きな格子柄を特徴としたオープンカラーで、両胸にポケットが付けられたスポーツシャツ。多くは厚手のウール地で作られる。着こなし方はアウターウエアとして用いるのが一般的だが裾をスラックスの中に入れるのがファッションとなっている。カナダのきこりたちに着られたことからこの名称がある。また、”ランバージャックシャツ“という名称もある。

鹿の子

ポロシャツでよく使われるニット生地で、平編みの変化組織。鹿の背の白い斑点に似た模様の編み方の総称。鹿の子編みは、清涼感があり、通気性にも優れていますので、夏のカジュアルウェアとして、また、スポーツウェアとしてもよく使用される。

カフス

主にシャツの袖口のほか、スラックスの裾口のこと。また、スラックスの折返しをイギリスではターンナップと呼ばれるのに対して、アメリカではカフスと呼ぶ。

カフスボタン

別名カフリンクスフレンチカフスダブルカフスなど、ドレスシャツの袖口に使われる、取り外しのできる飾りボタン(止め具)のことで、フォーマルスーツのほか、ドレッシーなビジネススーツにも用いられる

カフリンクス

別名カフスボタン

カマー・バンド

タキシードに用いられる腹巻状のものをいう。 タキシードのラペルに用いられる拝絹と共地で作られ、ヒダが付いているが、ヒダ数は別に決まってはいない。 もともとはサッシュ(腹巻)をヒントに作られたベスト代わりの帯で1893年に誕生した。 これを真似てベスト型にしたものがカマーベストと呼ばれる。蝶ネクタイとセットになって販売しているところもあり、同じ色や柄で着用することが多い

カラー

衿の上部分(上衿)のこと。首に沿って立ち上がり、衿腰からシャツが1cm程度(衿腰の高いシャツは2cm程度)出るくらいが望ましい。主に詰襟型の被服の襟内側に付着し襟自体の汚損を防ぎ、襟に色のアクセントを与え、襟を補強するなどの目的をもって装着される。

カラーキーパー

別名カラーステイカラー(衿)芯のことで、襟の裏に挿入してシャツの衿を真っ直ぐに保つ役割を果たす。ワイシャツの襟裏に作られたポケットに挿して襟先に張りを持たせ、また逆に跳ね上がらないようにする器具である。

カラークリップ

両側がクリップになっていて襟の両端を挟んでとめる金具。ネクタイを浮かせ活動的に見せる働きをし、襟留めはネクタイをするときは結び目の後ろに隠れるようにして使う。

カラーステイ

別名カラーキーパー

カラードシャツ

ダークスーツ全盛の時代を経て、1967年にアメリカのディヒター博士が男性の服装にも色彩を取り入れようと訴えたことにはじまるピーコックレボリューション以降、
それまで白色ばかりだったシャツ色から、ドレスシャツの中心となり、多くのカラーバリエーションが定着することとなった、色付きのドレスシャツのこと。アイビースーツなどのトラディショナル調スーツがイメージされるディープカラードシャツや、反対に薄い色の生地で作られたドレスシャツは、ペールカラードシャツと呼ばれています。

カラーピン

ピンホールカラーのドレスシャツ専用の金具。襟に開いている穴にさして使う。

カラーボーン

別名カラーキーパー

カラーボタン

アタッチドカラーをドレスシャツの身頃につける場合に用いるボタンのこと。アタッチドには「取り付ける」などの意味があり、カラーボタンはこの取替え可能なデザインを持つアイテムを止める際に用いられるもの。

絡み織

シャツ用語で、綟り織綟子織(もじりおり)ともいう。経糸を互いにもじり合わせながら、緯糸を打ち込んだ織物。目が粗いため、通気性が良く、斜め方向の伸びがよい。このため、夏用シャツや夏用タオルケットに使用されることが多い。ただし、材質をかえることにより、吸水性を増したり、肌触りを大きく変えることができるため、夏用の商品だけでなくオールシーズンで使える商品も作られている。

カルゼ

カルゼとは、経糸(タテイト)に霜降りの双糸または杢糸、緯糸(ヨコイト)には単糸を使用した綾織物

カレンダー加工

生地をローラー(これをカレンダーという)に通して、熱ロールと樹脂ロールでプレスする加工を指す。光沢付け(艶出し)の他、平滑性を出したり、厚み調整や防風性を増したり、フィルター素材の通気量調整加工が出来る

ガンクラブ・チェック

別名二重弁慶格子。主にトラディショナルなジャケット、パンツなどに使用される。

カントリースーツ

カジュアルな感覚のスーツのこと。 多くはツイードなどのカントリーライクな生地で仕立てられる。田舎や郊外での着用をイメージさせるものをカントリー・スーツと呼ぶため、作られる素材や柄だけでなく、そのスーツを構成するディテール・デザインなども重要。運動量を豊かにするための、アクション・プリーツアクション・バック、狩猟用ジャケットの機能的なデザインとしてのガンパッチエルボーパッチなどはその代表といえる。

ガンパッチ

肩から胸にかけて付けられる当て布のこと。 ハンティングジャケットシューティングジャケットに見られるほか、カントリーライクなジャケットのアクセントとして用いられる。もともとは銃を肩に支えるように付けられていたデザインで、エルボーパッチと同じく革製のものが多い。ガンフラップの別名。パッチはつぎ布のこと。補強用の「当て布」「当て革」となるものが、片方の肩のみにつく。現在では、別布、人工皮革となるスエード、エクセーヌなどで装飾されることが多い

キトン

イタリア・ナポリの最高級縫製メーカー。創業者はチロ・パオーネ。キトンはギリシア語で「礼服」を意味する。現在は、展開を広げ、カジュアルウェア、香水、シューズ、レディースコレクションも展開している。

英名は「シルク」。蚕の繭からとった天然の繊維のこと。独特の光沢を持ち、古より珍重されてきた。

ギザ

世界三大超長綿の一つ。エジプトのナイル川流域の一部でしか採ることができない、高級エジプト綿の名称ギザ45ギザ70が特に有名。GIZAコットンは別名「白いゴールド」とも呼ばれ、高級品として扱われてる。

起毛(きもう)

繊維の表面をループ状に起こしてケバ立てる加工のこと。起毛すると繊維は厚みを増し、柔らかくなって保温性が高まる。

ギャバジン

織り目の緻密な綾織物のこと。斜めに織り目が浮き出ているのが特徴で、主にウールコットンで織られている。昔は仕事着、子供服に使われることが多かったが、現在ではコートスーツスラックスの生地として使われることが多い。どんな色でも少し白っぽく染まり、金属的な光沢が出る。

吸水速乾

最近のシャツに施されている、水分を素早く吸水して短時間で乾く加工

ギンガム・チェック

ギンガム・チェックとは、主に地色が白等の薄い色に、格子色は一色で構成され、縦横とも同じ太さの縞模様でできたシンプルな定番格子柄。若々しさや明るさ、清潔感を感じさせるため、ユニフォームに使われる例も多い。幼さが全面に出て、子供っぽく見える傾向も高いため、コーディネートには使う場所や面積には気を使いたい

クールビズ

日本で夏期に環境省が中心となって行なわれている、環境対策などを目的とした衣服の軽装化キャンペーン。またはその方向に沿った軽装。ビジネスカジュアルとも関連が深い。

クールマックス

インビスタ社の商標綿素材よりも5倍の速さで汗を吸収・蒸散し、体の快適な湿度を保持し体温を下げる新素材技術。冬場でも、汗をそのままにしておくと体が冷えやすくなるが、クールマックスを使ったスポーツウェアなら、すぐに汗を吸い取るため体を暖かく保つことが可能である。

ぐし縫い

布にくしをさす様に、裏表の針目を揃えて、細かい目で縫う技法。主に袖山・肩線・パンツのいせ込みをする際などに用いられる。

クラバット

ネクタイを意味するフランス語ネクタイは、ネック(首)とタイ(締める)から作られた複合語となるが、このネクタイの発祥となった国、フランス語でのネクタイを意味する呼び方である。

グラフ・チェック

グラフ・チェックとは、方眼紙のように細い線で構成された格子柄の事。2色構成が基本の上、シンプルなため、他のアイテムと合わせやすいラインチェックと呼ぶ場合もある。構成はウィンドウ・ペンとほぼ同じ。大き目の格子だとモード感、中くらいだとレトロ・クラッシック感が出しやすい。

クラブフィギュア

ネクタイの柄の一種で、クレスト柄クラブ小紋ともいう。各カレッジや一般のスポーツクラブの紋章柄。ストライプの間に紋章があるものはロイヤルクレストと呼ばれる。

クラブ・ボータイ

ボータイの1種で、結んだ時の両翼が一直線の形になるもの。中くらいの巾で端がすべて丸くカットされている。黒、ミッドナイトブルー、またはダークブラウンのシルクやサテンで作られ、タキシードなどに用いられる礼装用のボータイ。別名スクエアボータイ

クリア加工

織物の表面にでるケバを、刈ったり焼いたりして取り除く加工のこと。

クリース

スラックスの折り目のこと。 特別な場合をのぞいて必ずきちんとつけなければならない。左右の折り目がジョイントするのは野暮の骨頂とされる。

クリップオンボータイ

クリップオン・ボータイは、ワンタッチ・ボータイや、ピアネスタイなどとも呼ばれている、最初からボータイ(蝶ネクタイ)の形に作られており、うしろに付けたバンドの端をクリップなどの金具で止めて使用するタイプのもの。だれでも手軽に使うことができる便利さで、カジュアルな普段使いやフォーマル用のアイテムとして人気がある

クルーネック

衿ぐりが丸いラウンドネックのうち、首にぴったり沿うように首元が丸く詰まったネックデザインのこと。よくいわれる「丸首」、クルーネックライン

グレーディング

バストやウエストサイズを基本に作られている、マスターパターン(基本型紙)を部分的に大きくしたり、小さくするなどして、いろいろなサイズや、体型のお客様の身体に合ったジャケットやパンツを仕立てるために、型紙を調整すること

クレリック(クレリックシャツ)

クラシックなスーツに良く合うシャツスタイルで、カラーとカフスを白無地にして、身頃と袖を色付き、ストライプ、カラーなどの柄を使って作られたドレスシャツ

グレン・チェック

シャツの柄で、千鳥格子とヘアラインの小さいチェックの組合せからなる、大きなチェック。緯糸に濃色2本、明色2本あるいは濃色4本、明色4本を繰り返しで綾織にしてつくった柄で、白や黒、茶などの配色が多く、千鳥格子とヘアラインを組み合わせた柄である。ドレスシャツの基本柄となっている。

クローバー・リーフ・ラペル

背広の衿型の1種。 上衿と下衿の先を、ちょうどクローバーの葉のような形に丸くカットしたもの。コンテンポラリーモデルの代表的なラペル。丸みのある衿型から受ける印象から、現在ではメンズよりはレディーススーツに多く見られる衿型

クロスオーバー・タイ

リボンのような形をした、グログラン素材の短いタイを衿元で交互に重ね、それを真珠や金属などの飾りピンで止めて使用するリボンタイの一種で、略してクロスタイ主にタキシード着用時の礼装用に用いられ、通常蝶結びにされるボータイを、衿元で交差し、ピンで止めて使用する形となっている。別名コンチネンタル・タイ

形状記憶

シャツを縫製し、しわのない状態で特殊な機械に通して薬品を吹きかけることにより、しわのない形状を記憶させて防しわ性を向上させる加工。製品完成後に施す。形態安定繊維を薬品につけて防しわ性を向上させる加工のこと。製品を縫製する前の生地の段階で加工する。

毛芯(けじん)

羊毛や馬の尻尾の毛などで織られた芯地ジャケットラペルなどに使われている。

剣衿

背広衿型の1種、ピークドラペルのこと。 フォーマルウエアによく使われることから、洋服職人の間ではフォーマルウエアをこの衿に因んで、”剣もの”と呼んでいる。ラペルの先が剣のように尖っているため、この名前が付けられた。

剣物

洋服仕立ての職業用語で、礼服など主にピークラペルのデザインものの総称

剣ボロ

シャツの袖空き部分のこと。剣の様な形からこう呼ばれる。英米の一部ではガウントレットと言うこともある。

ゴージ

背広の衿などに見られる衿きざみのこと。

ゴージライン

上衿と下衿で構成される線のことをさし、この高低でラペル巾背広のシルエットが変化する。ゴージラインが高めにあるデザインのイタリアクラシコなどは、高度な技術が要求される。

コーディネート・スーツ

ジャケットスラックスを別の素材で作ってコーディネートさせ、スーツに仕上げたもの。スーツとセパレーツの中間的な感覚をもっているが、この例でわかるように「スーツとは、上下共揃いの生地で仕立てたもの」という概念が近年変化してきている。コーディネート・スーツは、ジャケットパンツがそれぞれ個別のアイテムとして売られ、各人のセンスで組み合わせて着られるセパレートとは異なり、初めからメーカー、ブランドなどで上下のセットとして着られるスーツとして組み合わされている。

コート・レングス

一般には「コート丈」着丈」のことを言う。 ネックライン(首の位置)から裾までの全長。長さによってヒップレングスニーレングスなどさまざまな呼び方がある。

コート・スーツ

コートスラックス共地で仕立てたスーツのこと。共生地で仕立てるという意味では2ピーススーツであるといえる。シルエット的にはジャケットとベストは外着のコートに隠れてしまうため、コート・スーツ4ピーススーツは変わりがない。

格子柄

縦縞と横縞を組合せた縞模様。幾何学模様の基本模様の一つ。織組織や色、材料、縞幅、縞の間隔などにより各種の模様が構成される。

高番手

数字の大きい糸番手を指す。数字が大きければ大きいほど糸が細くなり、高級な生地になる細番手と同義。

腰ポケット

別名、サイドポケット(脇ポケット)フラップ(ふた)は雨風をしのぐために考案された。

コットン

綿の英名で、もっともポピュラーな天然繊維。吸湿性や保温性があり、通気性に優れてサラッとした感触がある。縮みやすいという欠点もある。

小紋

シャツの柄で、細かい単位模様を繰り返し染めたもの

殺し襟

ジャケットなどの襟部分を首筋にフィットさせるための技法のこと。丹念にアイロンで押さえながら生地を形付けていく。

コロニアル・スタイル

20世紀の初期、インドや南アジア、アフリカなどの植民地でヨーロッパの人々が着た貴族趣味の夏のスタイル。

コンケーブド・ショルダー

背広の肩線(ショルダーライン)の1種。 全体に湾曲して、袖山で盛り上がったもの。ヨーロピアン調の背広に多く見られる。コンケーブとは「凹型の、中くぼの、くぼんだ」の意味。

コンチネンタル・モデル

欧州型の背広モデルの総称ブリティッシュモデル以外のフレンチ・コンチネンタルモデルジャーマン・コンチネンタルモデル、で構成されている。アメリカントラディショナルがスポーティな雰囲気をかもし出すとすればこれはドレッシーな雰囲気を持つといえる。

コンテンポラリー・モデル

IACDが1965年に発表した流行モデルコンテンポラリーとは「現代的」という意味があり、シングルブレステッド1ボタン、衿はLシェープドラペルフィッシュマウスなどの変わり型。脇ポケットはウエルトポケット、肩線はテーラードショルダーで、ウエストを絞った短い上着丈が特徴的。主にアメリカ西海岸、特にハリウッドを中心とした芸能人に愛用され、素材もイリデッセントなど派手なものが好まれている。日本では単に「コンポラ」の名前で呼ばれることが多い。

コンバーチブルカフス

シャツの袖をボタンでもカフスボタンでも留めることが出来る両用スタイルのシングルカフス。片方にボタンが付き、両方にボタンホールがある。

コンバーティブル・カラー

衿の前端を開けたり・閉じたりまた、立てたり寝かせたりなどすることで、二通りの使い方ができる衿のこと。コンバーチブルカラーステンカラーと同義として用いられる場合もあります。

コンパクトヤーン

糸の表面の毛羽を伏せて製造された綿糸で、通常の糸と比較して格段に毛羽が少ない特殊な紡績機からしか作ることのできない高級綿糸である。